音楽

耳コピや曲の分析におけるキーの見つけ方について。おすすめの方法

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音楽の分析、耳コピ。

いずれもその際にはまずキーを見つける事が必要です。

私がやっているやり方について書きます。

皆、やっているのかと思うや、意外にそうでも無さそうなので書いてみました。
キーの見つけ方、で調べてみると、みんな、結構いろんな感じでやっているんだなぁと感じます。

いくつか試されてしっくりこない、という人の参考になれば幸いです。

 

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コードがとれないからキーが知りたい

理論本を見てみると多いのは、

・曲の始まりのコードかエンディングのコードでキーを見つける。

・曲に合うメジャースケールを弾いてみる。

・中心音を見つける。

・スケールからみた5番目の音のセブンスコードがあるか確認する。

などでしょうか。

私がコピーを始めた頃は、どれもしっくりきませんでした。

そもそも、耳コピでコードがわからないから、ある程度当たりをつけるためにキーが知りたい、という感じでした。

 
 

2つのやりかた

私がよくやっているのは2つあります。

1つ目はサビなどのコード進行から、キーを判断する。
例えばサビで4-5-6などとルート音が順次進行で上昇していく曲があったとします。

この流れを覚えてしまえば、4のルート音だけ、何の音がなっているかさえわかれば、1=キーの音はすぐにわかってしまいます。

でも、これはコード進行に対する慣れが必要ですので、最初はあまりおすすすめできません。

2つ目はメロディの音をいくつか拾って、スケール。コードを推測する。
この方法は地味ですが、おすすめです。

過程を文章にすると、長いですし、最初は時間かかりますが、慣れるとすぐにできるようになります。

ただし、最低限必要な知識、感覚があります。

 
 

必要なもの・理論の基礎・簡単な耳コピ力

音楽理論の初歩である、インターバル、スケール、ダイアトニックコード辺りを押さえておかないと、ちょっと難しいです。

また、曲のメロディをギターやピアノに置き換えるぐらいの耳コピ力は必要です。

ざっくりいうと、メロディで使っている音をいくつか拾って、並び替えて、メジャースケール又はマイナースケールを作るという感じです。

スケールがわかれば、ダイアトニックコードを把握できますので、そこからコードを推測します。
そうして、ルートと響きを確認して、コードを把握していく、という流れです。

弾き語りあたりが目的なら、ここまでで十分できるかと思います。

厳密な各パートのコピーにおいても、スケールやコードがわかっていると、理解度が全然違います。
ベースがルートでギターは三度、七度を引いているんだね、とか。

作編曲などの肥やしにもなるので、理論を介して抑えるのはとてもおすすめです。

 
 

メロディの耳コピについて

バッキングは確かに聞き取りづらいものもあるのですが、メロディは目立つので、耳コピ自体は難しくないと思います。

耳コピにおいて、何が難しいかというと、耳コピそのものというよりも、そもそも鳴っている音がよく聞き取れないということではないでしょうか。

ギターが鳴っているのはわかるけれど、他の楽器と混ざっていて、聞き取れない、とか。

これはミックスをしている以上自然なことです。
仮に聞き取りたい楽器だけソロで流してもらえれば、そこまでコピーするのは難しいことではないと思います。

耳コピをする際にいきなりコードからやりはじめる人がいますが(というか、高校生頃の私)、耳ができていないうちは効率は悪いです。

曲の中心はメロディです。

メロのためにオケ(コード)があるのです。
コードはメロを引き立たせる(泣かせる)ためにあります。
なので、まずメロが何のキー、スケールで作られているのかを把握する事が大切です。

まずはキーを見つけて、ダイアトニックコードを把握する事で効率があがります。
借用や転調を把握するにもまず、基本部分のキーとダイアトニックを把握していないとできません。

キーを判断する際に、リズムは拾えなくても大丈夫です。
音程だけで大丈夫です。

ド(C)が鳴っているのか、レ(D)が鳴っているのかを楽器で鳴らして確認できればオーケーです。
 

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メロを拾う方法に慣れる事のメリット

メロに伴奏をつけることが容易になります。
具体的には、鼻歌を歌っていて、良さそうなメロがでてきたとします。
それをスマホかなんかに録音したとします。
後日それを曲にしたい場合、そのメロを並べて、キーを探ることにより、伴奏をつける事が楽にできるようになります。

具体的にはDAWを起動して、適当なピアノ音源辺りを起動して、スマホの鼻歌を聞きながらメロディを打ち込みます。
そのメロディに対して、これから述べる方法でキーを探るのです。
キーが把握できた後は、ダイアトニックコードを把握します。

作曲・編曲に役に立ってくる方法だと私は感じています。

 
 

メロディ音の種類を書き出す

キーを知りたい曲を流して、メロを聞きます。
まずはできるだけシンプルな曲をおすすめします。

メロの音を楽器で確認して、わかった音から、紙に書き出していきます。

基本的に5〜7音ぐらい書き出します。

仮に、

A  C♯  D G F# E の6つ拾えたとしましょう。

#や♭についてはこの段階ではどちらか片方に統一した方がわかりやすいです。
(楽典的には間違った表記になることもありますが、ひとまずです)

 
 

並び替える

上記で拾った音を並び替えます。

ドレミファソラシド、CDEFGABに従ってやると、わかりやすいです。

上の例ですと、

C#、D、E、F♯、G、A になります。

 
 

メジャースケールの並び順と区切り

メジャースケール(アイオニアン)とは、キーがCの場合、ドレミファソラシドの事ですね。
この並び順を分析してみると、

全・全・半・全・全・全・半という形になっています。

全:全音
半:半音

これを半のポイントで区切って分けてみます。

全 全 半 (キーがCならド・レ・ミ)

のグループと

全 全 全 半 (キーがCなら、ファ、ソ、ラ、シ)

に分けられます。

 
 

拾った音に当てはめる

拾った音がこの順になるように、当てはめます。

半の部分に着目するとわかりやすいです。
半の前が全が2回なのか3回なのか。

上の例ですと、F#とGが半ですね。
ではその前に何回、全があるかを見るのです。

C#とDは半。
DとEは全。
EとF#は全。

2回です。

先程の分割したグループでいうと、Dからスタートする、前のグループに属するということがわかります。

D、E、F♯ 

この時点でキーがDメジャーだと判別できますが、一応見ていくと、

D、E、F♯、G、A、(B)、C#   次のD

となります。

( )の部分は推測になりますね。

メジャースケールの並びで考えると、Aの次は全音上の音なので、Bになり、C#に行っては飛びすぎてしまいますので、
6音が不足していることがわかります。

 
 

スケールに合わない音が拾えてしまった

例えば、上の例で多分キーがDメジャーなんだけど、ここの所だけ、A#の音使っているんだよなあ。

なんて事もあるかと思います。

その場合、その部分だけ他のキーを借用しているという解釈ができます。

例えば、Dナチュラル・マイナー・スケールなどです。
(この場合、厳密にはB♭です)

基本はDメジャーなんだけど、その部分のみはDマイナーを使っているみたいなイメージです。

ナチュラルマイナーが多いですが、必ずしもマイナーとは限りません。
六番目の音が♭するスケールは他にもあるからです。

この場合、その曲のジャンル、前後のつながり、テンションなどを勘案して解釈を決定してゆく必要があります。

話が少しそれますが、よくあるのが、メジャーダイアトニックコードを把握したけれど、分析がうまくできない、という意見があります。
実際の曲では借用や転調を普通に行っているので、メジャーダイアトニックだけだと、分析する材料が足りないので、それは自然な事です。

メジャースケール、ナチュラルマイナースケール、ハーモニックマイナースケール、メロディックマイナースケールのスケールとダイアトニックコードを頭に入れておくことが分析において必要になってきます。

メジャースケールとナチュラルマイナースケールは裏と表なので、ナチュラルマイナースケールの曲は、メジャースケールの番号で分析処理する事も可能ですが、ただ、中心点がマイナーとメジャーでは結構違うので、理解する上ではマイナーとして別に分析処理する方がいいように思います。

 
 

キーがわかった後はルートを拾うことで、コードが見えてくる

上記とは違う例にしますが、キーを探った結果、Cメジャースケールだと判明したとします。

次はルートを拾います。
ここからダイアトニックコードの知識が役に立ってきます。

例えば、キーCで、ベースがEを引いていたら、Em(3m)だとか、仮のあたりがつきます。
ダイアトニックコードの基礎の段階でここまではわかるかと思います。

しかし、注意するべきなのは、ベースがEを弾いていても、Emとならない場合があることです。

コードには転回という概念があります。
分数コードのことです。

例えば、ベースがEを弾いていても、上の楽器やメロがCばかりだったら、このコードはC/Eということになり。
Cコードとして扱います。

仮のあたりというのはこのためです。
上のメロディや他の楽器の音を聞かないとコードがわからないのです。

転回型には3度をベースとした第1転回型、5度をベースとした第2転回型、7度をベースとした第3転回型、と3タイプあります。
クラシックとかだと、2転、3転は用法がかなり限定されてきますが、ポップス系は比較的自由に用いられています。

なぜ展開系を用いるのかというと、お決まりの決まり文句のコード進行を使うという事もありますが、アレンジ上の都合による場合も多いと私は感じています。

アレンジをする段階で、メロディとベースラインの関係を見ておくことはとても大切です。

メロディとベースラインの関係は基本的に反行、斜行とした方が、曲の流れがスマートになります。
反行というのはメロが上がれば、ベースは下がる。
斜行というのはメロが動いても、ベースはそのままの音を維持するというなイメージです。

この関係を維持しつつ、望んだ進行を行うために用いるケースが多いと私は感じています。
ただし、これはロック系の曲に関しては当てはまりません。
普通にメロとベースライン、直行しています。

また、展開型はベースラインだけではなく、音がぶつかることを防ぐために用いることもあります。

例えば、メロがドを歌っている小節内でEmコードをつけてしまうと、Emコードの5度である、シとドが半音でぶつかってしまいます。
これを避けるために、C/Eとする場合もあったりします。

例外はあるのですが、基本的に半音を同時に鳴らすのはアボイドノート(さけたほうが良さげな音)として定義されています。

この辺りは編曲の話にもつながってくるので、話がそれている感はありますので、キーを知って耳コピする点に限定して、流れをまとめます。

1キーを探って、ダイアトニックコードを把握。
2ルートを拾って仮のあたりをつける。
3上モノを拾って、コードを確定させる。

というイメージです。

ただし、これはコードの話ですので、実際に各楽器のフレーズをコピーする際にはこれをヒントに耳コピをしていく形です。

 
 

他のスケールを抑えておくといろいろできる

今のはメジャーでやりましたが、マイナー・スケールに当てはめてももちろんできます。
マイナー・スケールの並びを用意して、当てはめて考えればいいのです。

モードスケールでもできます。

例えば、ロクリアンモードで作られている曲をメジャー、マイナーの機能和声風に捉えるとするならば、その半音上が機能和声におけるキーだったりする感じです。

Eロクリアンなら、Fメジャーがキーになるみたいなイメージです。
中心がロクリアンの1番めの音なので、これで展開してゆくと、まるっきり、別曲になってしまいますが・・・。

以下のスケール、特徴音、テンションは覚えておいた方が便利です。

・アイオニアン
・ドリアン
・フリジアン
・リディアン
・ミクソリディアン
・エオリアン
・ロクリアン

・ハーモニック・マイナー
・パーフェクトフィフスビロウ
・ファンクショナルディミニッシュ

・メロディックマイナー
・リディアン♭7
・ロクリアン♮2
・オルタード

・ディミニッシュ
・コンディミニッシュ
・ホールトーン

覚え方は別の記事に書きますが、メジャースケールとの比較で覚えるとかなりいい感じです。

 
 

まとめ

キーとコードがわかった次に大切なのは、どんなボイジングでそのコードを弾くのか、という事です。
耳コピにおいてもその感覚は大切です。

クラシックの分野ではありますが、和声学という学問はこの辺をきちっと見ていきます。

ジャンルが違うので、ロック、ポップス等においては、必ずしも従うべきものではないのですが、ノンコードトーンの扱い、音の流れ、積み方において参考になる部分は多いです。

和製学は作曲、編曲向けの勉強ではありますが、楽器演奏においても役に立つ知識だったりします。
コードが決まっていて、フレーズを考えなくてはならない場合、全体をより良く聞かせる事フレーズを発見するためにも役立つ知識です。

ジャズ・ポピュラー理論と和声学を合わせて勉強すると、とても役に立つと思います。
ただ、和声学は難しいです。

音大に行かれるような方が勉強する分野なのです。
勉強する場合、まずは、ジャズ・ポピュラー理論から抑えるのがおすすめです。

 

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