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DAWによって音は変わる? 変わらないのか?
DAWにまつわるお話に「DAWによって音質は変わるのか?」というものがあります。
DTMで作曲する方はLOGICやCubase、PRO TOOLS辺りを使われている方が多いと思いますが、この点について、どのDAWを使われている方も一度は気になった事があるのではないでしょうか。
2ちゃんや知恵袋で良く議論されているのを見かけますし、実際に音源を用意されて論じている素晴らしい記事もあります。
この事について私なりの私見を述べてみます。
マイノリティかつ、妄言に属するであろう私見ですので、そのつもりで解釈いただければと思います。
DAWによって音は変わると思う
音が変わるかどうかという点について言うと、私は変わると感じています。
いいか悪いか、という話ではありません。
「ただ、変わる」のです。
私はDAWによって音質に優劣があるというようには考えてはいません。
音色に好みがあるのと同じで、そのDAWの音が好きか嫌いかは各人によって異なるからです。
DAWを聴き比べしてそう感じた
以下のDAWを聴き比べをしたことがあります。
その時に感じた印象が、
LOGIC・・・狭い。
PRO TOOLS・・・天井が高い、広い。
Cubase、Studio One・・・きらびやか、Studio Oneはよりクリア。
ACID・・・やや狭い。
音質というより、配置と存在感の問題なのかもしれませんが、私は上記のように感じました。
これはあくまで特徴です。
上述したように、いい悪いという事を述べているつもりはありません。
LOGICやACIDの「狭い」という表現が良くないかもですが、それはそれでミックスが詰めやすい部分もあるかと思います。
あと、昔から言われていたことですが、LOGICはバウンスすると肉付き感というか飽和感、音圧感のようなものが強化されるという話があります。
個人的には確かにそのように感じることもありますねー。
ただ、曲による気がします。
また、シンセなんて再生するたびに音変わりますから、そのせいもあるかと思います。
プロツールスは音が良いからと言われて導入した
これは私自身の話なんですけれど、ある方に「プロツールスの方が音が全然いいから、そっち使った方が得だよ」的なことを言われて、プロツールスを導入しました。
今振り返ってみると、買う必要はあまりなかったかな、と感じています。
エンジニアを目指すならば、プロツールス〈HD環境〉を導入しないと、話にならないですけれど、クリエイターの場合は導入する必要はそんなにないと思います。
一般の人が聞いて、なんか普段聞いているのと違うなーとか普通にわかるレベルなら、導入するべきですけれど。
そんなことはないはずです。
市販クオリティと違う、というのは大抵、アレンジ、ミックス、音作り、マスタリングに原因があります。
LOGICの良い点
私は打ち込みをLOGICで行って、ミックスはPRO TOOLSという流れで作業をしています。〈私がやるのは仮ミックスが多いです。本ミックスはエンジニアさんがやるケースが多いです〉
PRO TOOLSの方が音は好きなのです。
市販の音楽でプロツールスを通っていないものはほぼ皆無でしょうから、聞き慣れたプロツールス感というものが、自分の中に固着している事が大きい気がしていますね。
しかし、制作段階、打ち込みについてPRO TOOLSと比べた場合、LOGICの方が打ち込みは圧倒的にやりやすいと感じています。
自分の好きな形に、ショートカットをあれこれ細かく設定できるのは素晴らしいと思います。
特に「録音として取り込み」、という機能が使えます。
これはMIDI打ち込みにおいて、直近に弾いたフレーズをデータに起こしてくれる機能です。
録音ボタン押して打ち込もうとすると、力が入って失敗することないですかね?
この機能を使うと、あまり緊張というか録音を意識しないで、打ち込めるので、いい打ち込みデータが作りやすいのです。
〈あくまで私の所感です〉
あと画面が見やすく、色付けがいい感じです。
作業に快適感があります。
夜、部屋を暗くして、色付けしたLOGICの画面を見ていると、私は幸せな気持ちになります(笑
値段。
よく言われていることですが、2万円でこれはすごいと思います。
とりあえず、一通り揃っているのです。
特にシンセが充実している印象です。
ES2とかは古いですが、結構強力な音を出せると思いますし、最近追加されたアルケミーは、プリセットを少しいじるだけで重ねやすくなります。
音数が多めの曲でちょろっと付け足したい時に使えると思います。
ただ、アルケミーはよくフリーズしてロジックごと落ちるのが微妙です。
(私のLOGICだけでしょうか?)
サンプラーEXS24も様々な音源が収録されておりますし、かなり使いやすいです。
あと、ループや効果音など、使おうと思えば使えるものもそこそこあります。
LOGICの微妙な点
LOGICはPANの値が63なのが嫌です。
PRO TOOLSとかは大体100が基本なのに。
当たり前ですが、63のパラメーターよりも100の方が繊細な配置調整ができます。
100÷63=1.58・・・ぐらいになりますので、LOGICで1、ずらすと100基準で、1.5程、動いてしまうわけです。
また、BFDあたりのソフトを用いる際に、型が決まってしまうのも嫌です。
モノラル8,ステレオ8とか。
アンビエンスを全部を割り当てると普通に足りなくなります。
他のソフトは柔軟にできるのにどうしてLOGICは違うのでしょうか。
あとは、説明書がわかりずらい。
Google翻訳レベルのような。
用語の説明などは充実していると思うので、もう少しわかりやすくなってくれたらいいなぁと思います。
最後に、よくバグる。
LOGICはMAC純正だからバグが少ない、という話を聞きますが、個人的にはPROTOOLSよりもバグが多い、印象を抱いております。
しかも、LOGICは一回ソフトを立ち上げ直さないと、解消されない場合が多いです。
Pro Toolsも良く音が割れるのですが、プレイバックエンジンの設定を切り替えると、直ぐに復活します。
おすすめDAWは?
どんな音楽をやるのか、制作をどこまでやるのか、といった事情により変わってきますので、一概には言えないところです。
制作からミックス、マスタリングまで、全部自己完結するという仮定の元に述べてみます。
MACをお持ちならLOGICがオススメです。
理由は安いから。
PRO TOOLSは、買い切りだと8万ぐらいします。
Cubaseも6万ぐらいはします。
ハマるかどうかわからないのにそんな出費をするのは痛いです。
MACを持っていない場合、Winであれば、Cubaseが使いやすいと思います。
ミックスまでガチでやるならPRO TOOLSが良いでしょう。
出回っている音楽は基本PRO TOOLSを通っております。
ミックスにおいて、DAW標準のプラグインですが、上記の3つのどれを選んでも十分必要なものはついております。
プロツールスは付属のプラグイン〈AAX規格〉も品質がいいという意見を聞いたことがありますが、どちらかというとロジックの方がいい気がします。
ロジックについているスペースデザイナーは昔、7万位の有料プラグインでしたし、今はタダでついてくるのは素晴らしいです。
EQもロジックはグラフィカルで使いやすいですし、コンプも様々なモードに切り替えられますしね。
ビットクラッシャーなどのエフェクト系も充実しています。
アルペジエーター位はプロツールつけて欲しいです。
ロジックのやつ、便利なんですよね。
LOGICのAdaptive Limiter、かなりいいですね。
エレクトロ系には合うと思います。サチュレーションが少し加わるのですが、それが悪くない。
Lシリーズやプロリミ、インビジブルより個人的には好きです。プロツールスでも使いたいぐらいです。
あとフレーズ作る時にロジックのヒューマナイズはかなり使える気がします。
でも、ストリングスなどで、エクスプレッション書く場合などはプロツールスがやりやすい。
やはり一長一短ですね。
プロツールスもいろいろできる事を増やしている印象がありますね。
12からのコミット機能はロジックユーザーからすると、内部バウンスで今更という感じですけれど。
でも、便利なんだけれど、ロジックの内部バウンスと比べて、露骨に音が悪くなる気がします。
プラグイン指していると顕著です。
プロツールの場合はコミットよりも、リアル書き出しの方がいいように感じております。
〈当たり前ですね・・・〉
仕事になると、プロツールスのデータを直でやりとりする事も多いです。
ちなみにプロツールスはショートカットなども統一されておりますので、日頃から身につけておけば、他所に行っても同じ操作性を保つことができます。
そもそも、MACよりもWINの方が良いと思う
もしDTMを始める過程で、パソコンを購入する場合は、WINの方が良いと思います。
よく言われている話ですが、WINの方が同じ金額でMACよりも高スペックなPCを用意できるからです。
「最近はMACだろうがWINだろうが、性能はそんなに変わらない」という意見を耳にします。
それはその通りだと思うのですが、その言葉通りに捉えると、「少しは性能が変わる」わけです。
それならば、Windowsの方がいいのではないかと個人的には思います。
Windowsであれば、他の仕事にも使えるでしょうし。
私自身はLOGICから入ってしまったので、MACを使い続けておりますが、仮に今から始める場合、間違いなくWindowsにします。
DAWはプロツール一本か、Cubase→プロツールという感じです。
音源ソフトは重い
何故、パソコンの性能を重視するのか、というと有料音源はかなり重いからです。
DTMを本格的にやり始めるとどんどん音源が欲しくなります。
ドラム音源のBFDやベース音源のトリリアンあたりは滅茶苦茶重いです。
私のMACだとソングを読み込んで再生した時点で、100%フリーズします。
トラック数が100とかあるせいもあるでしょうが・・・
スペックはプロセッサ2.9GHz、メモリ16GBです。
確かにしょぼいスペックですが、それにしても、です。
何回かフリーズさせて、暫く経つと普通に扱えるようになります。
トラックのフリーズ、整理をすれば多少は改善しますが、上記の音源を使っていると基本的に避けられません。
あとがき
最近DTMがやたら盛んになって、スクールなども増えております。
記事も多いのですが、DAWによって音が変わる、という内容の記事はあまり目にしません。
気にする程度の問題ではない。
そういう意見も多いのですが、私は気になるのです。