一括償却資産と少額減価償却資産と固定資産、誤解されていそうな件について

一括償却資産と少額減価償却資産と固定資産、誤解されていそうな件について

 

商売をやっている人は時々、固定資産の取り扱いを意識する事があるのではないでしょうか。

固定資産の取り扱いについて書かれている記事は多いですが、特に一括償却遺産の取り扱いで実際には積極的に使った方が特になるケースがある、という事について述べてみたいと思います。

 

 

 

経理を税込でやっているか、税抜きなのかをまずチェック

 

個人事業主の場合ですと、税込み経理が多いかと思います。

〈そもそも消費税の申告義務がない免税事業者も多いので・・・〉

法人ですと、基本は税抜きが多いです。

税抜き経理とは例えば、コンビニで108円のボールペンを買ったとすると、

 

消耗品 100   /    現金 108

仮払消費税 8

 

というような形で仕訳をします。

 

税込経理ですと、

 

消耗品108  /  現金108

 

と仕訳をします。

 

 

原則的には4区分で判定

 

資産を買った場合、通常は、概ね次のように4つに分けて区分する事ができます。

 

・10万円未満

10万円未満のものは重要性が低いものとして購入時に「経費」とし、固定資産としなくてもいいとされています。5万円のプロジェクターは固定資産処理は不要です。

・10万円以上20万円未満

10万円を超えると固定資産となります。ただし、20万円未満の固定資産は、「一括償却資産」として処理することができます。

・20万円以上30万円未満

20万円以上の資産は原則固定資産です。

・30万円以上

固定資産として資産計上をすることになります。

 

この金額の判定は税込経理の場合は税込判定、税抜き経理の場合は税抜き判定です。

税抜き経理が税込経理と比べて有利と言われる点の1つに、この判定が税抜き金額でできる点があります。

例えば、105,000円のパソコンを買ったとします。

税込経理ですと、税込で判定しますので、10万以上、20万円未満の区分となり、資産計上か一括償却かの2択になりますが、税抜きですと、

105,000円➗1.08=97,222円となり、10万未満の区分となり、一括で落とす事も可能になります。

税金の取り扱い上は税抜き経理の方が有利になります。

 

 

 

中小企業者は30万円未満まで一発で経費にできる特例

 

上記までを読んだ方の中には、

「いや、自分は30万円までは一発で経費にできるって聞いたけれど?」

という、方も多いかと思われます。

上記はあくまで原則の取り扱いになります。

すっかりメジャーな感覚になっているのですが、実は30万円まで一括経費という制度は、

租税特別措置法という法律により定められた期間限定の特例なのです。

この法律上、中小企業者、に該当する方は30万円までの資産を一括で経費に落とす事ができます。

中小企業者とはめちゃくちゃざっくり言いますと、

資本金等が1億いかなくて、従業員が1,000人いない、

という青色申告事業者の事を指します。

ただ、バックに大企業がいる場合などは該当しません。

この特例の正式名称は、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例、と言います。

なお、30万円まで一括経費にできるのは累計年300万円までになります。

〈事業期間が1年でない法人とかは少し変わってきます〉

 

この特例を踏まえて考えると、ちょっと原則は変わってきます。

 

 

モノによっては10万円以上、20万円未満の区分が問題となる。

 

上記の特例を含めて、まとめ直しますと、下記のような形になります。

とてもわかりやすい説明をされている記事を参考にしています。

税金をおさえる、というのは直近の税金を減らす、という意味合いです。

 

・10万円未満

税金をおさえるなら費用処理です。利益を出したい場合は、「一括償却資産」か固定資産としても構いませんが、固定資産台帳管理の手間と、税金計算上の費用を数年間先延ばしにすることになります。

・10万円以上20万円未満

税金をおさえるなら、中小事業者なら「少額減価償却資産」、中小事業者以外は「一括償却資産」です。利益を出すなら固定資産処理です。

・20万円以上30万円未満

税金をおさえたい中小事業者の方は、「少額減価償却資産」を選びます。それ以外の場合は、固定資産とします。

・30万円以上

固定資産として処理します。なお、少額減価償却資産と固定資産には、固定資産税が課せられます。

 

 

ただ、上記のうち、10万以上20万円未満のものの扱いについては厳密には一括償却資産の方が有利になります。

一括償却資産、というものは3年で均等に経費化していく方法です。

「いや、だって30万円未満の一括で落とせる方法の方が有利じゃないか」

確かにこれだけで考えると全くその通りなのです。

ただし、これは主に国税や特定の地方税の話において、なのです。

モノは資産です。

資産といえば、固定資産税が有名ですね。

その一種に償却資産税、という税金があります。

 

一括償却を使うと償却資産税がかからない

 

償却資産税とは毎年1月の終わりまでに役所に自己申告して課税されるタイプの税金です。

対象物は器具備品が多いでしょうか。

建物とかは固定資産税になりますので、課税されません。

また、車も自動車税という名の固定資産税がありますので、課税されません。

エアコンとかプロジェクターとか、パソコンとかです。範囲は広いです。

10万円未満で一括で経費にした場合と一括償却を使った場合以外に課税されます。

税率はざっくりですが、資産の税金計算上の帳簿価格✖️1.4%。

自治体ごとに資産の課税金額、累計150万円までは課税されませんが、それを超えると課税されます。

1回課税されて終わりではなく、毎年課税されます。

 

 

一括償却の方が3年後には償却資産が課税されない分有利

 

15万円のパソコン資産を買ったとします。単純に考えたいので、税込で考えます。

30万円の特例を使えば、確かに一括で15万円経費にできます。

一括償却ですと、5万円ずつ、3年で経費にしていきます。

早く、経費化ができるので、一括経費、の方が有利、というわけです。

〈厳密に税率の上積み部分を考えると、有利じゃないケースもあるんですが、稀なので除外します〉

ただ、3年後には結果的にどっちも15万円全額経費にできているわけです。

3年トータルでみたら、変わらないわけです。

償却資産税の観点から見ると、一括償却資産方式ですと償却資産がかかりません。

償却資産の対象から外す事ができます。

30万一発経費の場合は償却資産の対象となります。

ざっくりですが、3年後では1300円ほどトータルの税金が一括償却方式の方が安い事になります。

もちろん4年後、5年後、も償却資産はかかってきますので、10万円以上、20万円未満の買い物が多いほど、ボディブローのように効いてきます。

 

償却資産は一度該当してしまうと永遠に課税される。

これが嫌な点ですが、償却資産はもちろん、毎年少しずつ安くなっていきますが、0になる事はありません。

最低でも取得金額の5%は絶対に課税する、と決まっているからです。

なので、外せるなら、償却資産から外した方が長い目でみると圧倒的に有利になります。

 

あとがき

 

償却資産は個々の金額は大きくはないんですが、会社が大きくなっていくにつれ、じわじわと毒のように効いてくる税金です。

外せる、という選択肢があるのなら、経費化を遅らせてでも外しておいた方が長い目でみると得になります。

 

 

 

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