経理の仕事

確定申告でわからない点や疑問点、間違えやすい点についての雑記

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確定申告についての雑記あれこれ

3月といえば、確定申告。

私も自分自身の計算をせねばなりません。
今年も1年分溜まってしまいました・・・。

たいへんです。

さて、本記事では確定申告について、あれこれまとめました。

 

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現金主義が使えるケースは少ない

現金主義とは売上の代金が入って来た時に、売上代金を計上するものです。

費用は代金を払った時に経費として認識するものです。

現金主義が使えるのは青色申告者でかつ年間の売上が300万程度の小規模な事業者に限られます。
おまけに届出を出さないとなりません。

実際に使えるケースは少ないと思います。

減価償却を要するもの、例えば30万円以上の備品の購入は現金主義であっても、資産計上して減価償却しないといけません。

 

発生主義とは

売上などは基本的に発生主義〈実現主義〉で処理します。

めちゃくちゃにざっくりいうと、

納品、サービスが完了した時点で売上を認識して、
納品、サービスを受けた時点で費用を認識することです。

例えば、27年の確定申告において、

28年1月に入金される売上があったとします。
この入金される売上の納品が27年12月末日までに終わっていたのであれば、その分は売掛金として、27年度の確定申告に含めなくてはなりません。

〈実現主義〉について、売上の認識は厳密には実現主義というものです。
発生主義というのは取引が発生した時点で、売上を認識する処理です。

発生主義だと契約した日なのか、納品した時点で売り上げを認識するのか、解釈がわかれてしまいます。

それだと、人によって収益の認識基準が変ってしまいますし、課税の平等が計れません。
税金は平等に課せられるものですから、計算方法も平等でないといけません。

おまけに契約した日ですと、実際に引き渡しが行われていないので、その売上が本当に確定しているのか怪しいです。
契約した後でキャンセルとかもあり得ますし。

なので、売上については実現主義という方法で認識することになっているのです。

費用についてはざっくり発生主義という認識でいいかと思います。

〈引当金などを除いて、厳密には債務確定主義といいます。債務確定主義と発生主義は良く似ているのですが、法律の裏付けが保証されているか否か、という点で異なります〉

 

 

在庫は経費にならない

在庫というのは、売上が上がって初めて経費になります。

12月に仕入を行いまくっても、売れなければ経費になりません。

費用収益対応の原則という言葉があるのですが、要は粗利部分をきっちり計上するということです。

 
 

減価償却費は必ず計上

会社などの経理を知っている人には、個人事業主の経理で赤字の場合、減価償却をしないでおこうと言われる方が、稀におります。

所得税は法人税と違って強制償却です。

償却した分を認識しない事はできますが、税金的に損してしまいます。

 

保険とかの前払

契約期間3年とかの保険に入った場合、翌年以降の部分は前払費用にします。
今年分だけを経費にするということです。

 

 

事業用資産の売却は譲渡所得になる

事業所得で使っていた車を売った場合、その分は譲渡所得という別の区分になります。
消費税の計算もしっかりしなくてはなりません。

譲渡所得には分離して別個に計算されるものと、事業や給与と損益を通算できるものがあります。
こちらは通算できます。

 

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携帯代とかプライベートで使っているモノは自己否認する

完全に仕事用ならいいですが、私用と仕事用を兼ねているものがある場合は事業で使っていない部分を経費から外します。

例として、携帯、光熱費、減価償却、固定資産税、賃借物件で自宅と兼ねている場合などです。

ちなみに、私は光熱費、家賃は支払額の3分の1を計上しています。
携帯代は半分程度です。

 
 

青色申告者がモノを買った場合、299,999円までは経費にできる

30万以上のモノを買った場合資産になり、減価償却をしなくてはなりません。
消費税の課税事業者の場合、この判定は税込で仕訳をしている場合は税込で判定します。

税抜で仕訳をしている場合は税抜きで判定できます。
俗に言う、税抜経理というやつです。

現行の8%ですと、税抜の場合323,999円までは一発経費にできます。
税抜経理の方がめんどいですが、こういった所は税込経理より有利になっています。

この話は青色限定です。
白色は10万円以上から資産計上しなくてはなりません。

また、青色であっても1,000人とか大勢の人を使っている人はだめです。
個人事業でそんな人、超レアでしょうが・・・。

 
 

平成19年3月31日以前に取得した資産については5%で償却を一旦止める

旧定額法、旧定率法という方法で処理している場合、

100万の車を買った場合、取得価格の5%である5万円まで行ったら、その到達年についてはそこで償却をやめます。

その翌年からは5万円から1円引いて、5年間で均等に経費にしていきます。

 
 

医療費控除・予防接種

インフルエンザなどの予防接種は控除できません。
治療じゃなくて、予防のための費用だからです。
医療費控除は治療に要したものである事が前提です。

 

医療費控除・カイロプラティック

カイロプラティック。
整骨院とか接骨院とかで、治療の一貫として行ったものであれば控除できます。

まずはその整体院が資格を持っているかどうか。
カイロプラティックは国家資格者、無資格者が混在しています。
無資格者が行った場合は控除できません。

なんの資格かというと、医師も入るのですが、基本的には柔道整復師という資格です。
整骨院と接骨院であれば、どちらもこの資格の所有者という捉え方で大丈夫かと思います。
領収書にこれらの名称がついているか、ネットでその店舗を確認するかなどして、判断するといいです。

次に実際に怪我や病気の治療として行ったものであるかどうか。
治療として、行ったものについては控除できます。

 

医療費控除・病院への通い交通費

交通費は公共機関のモノに限ります。
タクシーとか、ガソリン、駐車場代などは基本的には控除できません。
〈控除できる場合もあります〉

 

高額療養費・補填金は控除額から差し引く

高額療養費で医療費が戻ってきている場合はその金額を医療費の額から差し引きます。

補填金とは例えば、大きな病気にかかって、民間の保険会社からその病気に対する保険金が出た場合です。
その分を差し引きます。
この補填金は病気ごとに判断します。

その病気にかかった医療費が10万、補填金が15万だった場合、多くもらった5万を他の医療費から引く必要はないです。

こういった、金額が確定申告時までに判明しないケースは見積もり額を挙げておきます。
後日、修正します。

 

 

お寺への寄付金は基本的には控除はできない

寄付金で控除できるものはきっちり定義されています。

所得控除だけではなく、税額控除できるものもありますので、寄付の対象についてはしっかり確認しなくてはなりません。

寄付金を払った場合、所得から控除する所得控除と税額から控除できる税額控除という方式を選べる場合があります。

厳密には以下とは違うケースがあるのですが、多くの場合、

所得控除は支払額から2,000円引いた残りが、

税額控除は支払額から2,000円を引いた金額の40%が引けます。

ここはどれくらいの税率になるか、一概には言えない部分がありますが、税額控除の方が有利になるケースが多いと思います。

所得×税率=税金ですので。
税率はその人の所得によって、変ってきます。

また、県や市の住民税で控除できるかも、その自治体のホームページなどでそれぞれ別個に確認しておく必要があります。

そして、確定申告の二表に住民税の控除項目の記入欄がありますが、忘れずに記入しておく必要があります。

 

支払調書の添付義務はない

報酬等の支払調書を確定申告に使用している人がいますが、厳密には必要ありません。
提出しなくても違反になりません。

そもそも、支払調書を作った方でもまったく同じ調書を税務署署に提出しているので、申告者が提出する必要はありません。
〈年額5万円以内ですと、提出義務はないのですが・・・〉

支払調書は税務署の調査のために資料であり、確定申告用の資料ではありません。

 

支払調書は現金主義なので、合わない事はしょちゅうある

これ、ものすごくややこしいのですが、支払調書は現金主義で作ります。
報酬や給料は源泉税が引かれますが、この源泉税の認識は現金主義なのです。
支払調書もそこに準じています。

法定調書なんかを作った人がある人の中には、

「いや、発生だろ。支払調書作成の手引きに未払を内書きするってあるじゃないか」

などと思われるかもしれません。
これは例えば支払調書を作成したのが、やたら早かった場合の話です。

12月30日に支払う報酬があるのに、12月25日に支払調書を作った様なケース。
こういう場合に内書きをするのです。
多くの場合、年が明けてから作るはずですので、けっこう珍しいパターンです。

申告の計算はほとんどが発生でやるのに、支払調書は現金主義。

だから、合わないのが普通の事です。
支払調書をそのまま使うのは返って、間違った申告になってしまいます。

というか、税金の申告は己で計算するか、税理士に依頼するかの2択です。
売上先が作成した数字をそのまま使うという姿勢はよろしくありません。

 
 

個人は期限後申告をしたからと言って、青色が取り消されるわけではない

確定申告の期限は毎年3月15日かその付近ですが、青色申告者が期限を過ぎて申告した場合、青色申告が取り消されるのかどうかという話です。

確かに法人だとこれはそうなのですね。

2年連続でやってしまったら、取り消しというのは有名な話です。
この根拠は法人税法127条に記載されている4つ目に明記されております。

「申告書を申告期限までに提出しなかった事他」

はっきり書かれています。

個人の場合、該当は所得税の150条になるんですが、そこには上記の条項は書かれておりません。
だから期限後申告したからと言って、取り消しになるとは限らないのです。

例えば、ずっと青色でやっていた人が、途中で事業をやらなくなって、無申告かつ青色の取りやめを出さずに、何年も過ぎてしまった。
しかし、最近になって事業を再開した。
そんな場合でも青色の届け出を出すことなく、青色で行けたりしちゃうわけです。

期限後でいいというわけではありません。
期限後申告の場合、青色65万控除は使えませんし、良いことはありません。

 
 

マイナンバーがわからない場合

マイナンバーは28年度確定申告(29年3月15日期限)のものから必須になります。
私がそうだったのですが、カードを無くしてしまい、自分の番号がわからない人もおられるでしょう。

その場合、再発行か住民票で間に合わせるか、のどちらかになります。

再発行は500円かかり、発行されるまでに1ヶ月位かかりますので、期限に間に合わない、という方は住民票を添付するのがよろしいかと思います。

大体どこの自治体も300円ぐらいで発行してくれます。
ただ、発行する際に「マイナンバー入り」を付け加えた方が良いです。
マイナンバーが入っていない住民票が発行されてしまうこともあるようです。

 

まとめ

そのうちどんどん更新いたします。
 

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