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税効果会計とは?繰延税金資産とは?わからない人への私見

公開日: : 最終更新日:2015/11/09 その他の話題

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税効果会計についての自分なりの理解

この前、簿記の勉強をしている人に「税効果会計を教えてくれないか」と言われました。
銀行や証券会社で働いている友達にも聞かれた事がありますし、結構わからない人が多い項目なのかもしれません。

税理士の財務諸表論なんかでは深くやりましたが、私の場合、基本独学なので、自分なりの理解です。
とりあえず、述べてみます。


 

 
 

税効果会計とは

損益計算書の下の方に「法人税等」っていう項目がありますよね?
その法人税等の部分は税金の申告書から飛んで来ている数字なんです。

会計〈損益計算書〉としてはその税金の数字を税引き前利益×税率で表現したい。
〈理由はもうけを知るためです。以下に述べています〉

対して、申告書の計算は、税金の計算上の利益×税率となります。

会計における利益と税金計算上の利益は異なります。
理由は下記で詳しく述べています。
〈厳密には税率にも細々と違いがあります。地方税は自治体によっても税率異なります。大体同じ位なので、ここではスルーします〉

そして、実際に損益計算書に飛んでいるのは会計が表現したい数字ではなく、税金ベースの数字になります。
つまり、税金計算上の利益×税率の方。

この2つの例で大きく異なるのは「利益」の部分です。
税率はとりあえず、どちらも30%として話を薦めていきます。

会計の利益と税金の計算上の利益〈厳密には所得といいますが、あえて利益といいます〉が同じ位なら、税額も同じ位になりますので、問題はないです。
これが、激しくずれていたらどうでしょうか。

めちゃくちゃな決算をしたり、税金の計算上、大きな調整があれば、

会計上の利益100円。税金30円。
税金の計算上の利益1000円。税金300円ということも起こり得ます。

先ほど、言ったように決算書の法人税等の金額には税金の申告書の数字が飛んできます。
損益計算書にすると、

税引き前利益  100

法人税等    -300〈申告書の数字〉

税引き後当期利益    -200

この数字だけをみたら「どんだけ税金払ってんだよ」って、思いませんか?
税金って、ふつうもうけにかかるものだという認識は誰にでもあるはずです。
そのもうけの3倍って〈笑
ざっとみたら誰でもそう思ってしまいます。

税効果会計はこうしたずれを、

税引き前利益  100

法人税     -300
調整額     +270  
〈調整後の税金〉    -30  ▶︎会計上表現したい税金   
税引後利益    70

このような形に調整するための会計手法です。

これで、会計上の利益×税率になりましたね。

税効果会計のメリットとしては、会計上の利益と税金を対応させる事ができることと、調整に応じて生じる、繰延税金資産に関連して、財務状態が向上しますので、決算書の印象アップになることでしょうか。

上場しているようなでっかい会社では税効果は義務です。やらないといけません。
でっかい会社に先ほどの例のようなものがあったら、投資家達は「はぁ?」ってなるでしょう。
税効果が入っていない、決算書は投資の判断材料としては激しく微妙でしょう。

 

とりあえずこれだけでいいと思う

とりあえず、決算書の貸借対照表に繰延税金資産を見かけた場合、来期以降の税金の支払を減らしてくれる金額だと思っておけばいいです。
繰延税金資産がいつ消えるのかは、一概にはいえません。

繰延税金負債はこの逆です。

繰延税金資産は将来の税金の支払いを減らしてくれる資産。
繰延税金負債は将来の税金の支払いを増やしてしまう負債。

それらが解消された金額と、新たに発生した税効果の調整部分を混ぜたものが、損益計算書の法人税等調整額。
決算書を読む点ではこれだけ考えておけば、いいと思います。

 

会計と税金の目的が違う

なんで、こういう事が起るのかというと、会計と税金の目的が違うからです。

会計の目的は「もうけと財産の状況の把握」です。
税金の目的は「皆に平等に課税する」ことです。

この違いを具体的にいうと、費用や収益になる範囲が異なります。
〈法人税の計算では費用を損金、収益を益金などと呼び、会計を下地に定義されております〉

 

例えば交際費

具体例だと、例えば、交際費。

大企業において、取引先の偉い人3名を接待して、100,000円使いました。
損益計算書には交際費 100,000 と載っています。
この場合、損益計算書上では経費 100,000 という認識ですが、法人税の計算上の経費は50,000になります。

なぜ、そうなるというと、現行の税法で大企業においては接待飲食費の50%しか経費にできない、と決まっているからです。
これでもマシになっています。少し前までは1円も経費にならなかったので。

ちなみに中小企業はざっくりいうと、800万円までなら、経費でOKです。
〈接待飲食費は金額によって、交際費から除外してもいいものもあったりしますが、とりあえず今回は全額課税対象交際費ということで〉

法人税の申告書は会計の利益に調整して計算するという話を先にしましたが、このケースの場合、税金の計算において、経費にならなかった部分50,000円を会計の利益に足し込めば、税金の計算上の利益〈所得といいます〉になります。
申告書の別表4という部分で会計の利益に足し込むことで、こうした調整を行います。

 

減価償却費でもあり得る

減価償却費などでも、起こりえます。

会計上減価償却費を500と計上した。
しかし、税金の計算上250が償却できる限度額だった。

この場合、超えた部分250が税金の計算上、経費になりません。

会計上計上する償却費も大半は税金基準で計上してしまうので、こうした例はあまり多くはありませんが、大きな会社とかだとあり得ます。

監査がからまない、同族かつ株主=経営者の中小企業であれば、500万円の車を会計上1発で経費に計上しても、決算書上はトラブルは起りません。
もちろん、税金の計算上、通常の車は6年で経費にしていきますので、会計上費用とした金額の大半を加算し直す事になりますが。

 

 


 
 

税効果会計での問題は将来に解消されるずれ

会計と税金の計算では収益と費用の扱いが異なる〈以下、ずれといいます〉のを、上の話では交際費と減価償却費を例にしました。

しかし、ややこしいことにこのずれには2種類あるんです。

将来解消されるずれと解消されないずれ。
上の例で言えば、減価償却費が解消されるずれ、交際費が解消されないずれです。

この将来解消されるずれを将来減算一時差異などといいますが、用語は正直どうでもいいような気もします。
税理士を受けたりする人じゃなければ。

 

車の償却費の例

例えば、当期に500万円の車を買ったとします。

それをいきなり会計上、4,999,999円を経費にしました。
貸借対照表に残っている車両の金額は1円です。
〈備忘の意味を込めて、1円は資産の金額を残す事になっています〉

しかし、当期の税金の計算上100万までしか、経費にできません。

つまり、経費にした4,999,999ー1,000,000=3,999,999を税金の計算上、足し直す事になります。

まとめると、当期において

会計上の償却費 4,999,999  

車の金額 1

に対し、

税金の計算上の償却費 1,000,000
車の金額 4,000,000

になります。

当期においては、激しくずれておりますが、通年トータルでみたらどうでしょう。
先ほど、税金の計算上、車は6年で経費化するといいましたが、これは6年後における税金の計算上の車の価格も1になる、という意味です。

つまり、6年後には会計も税金の計算上もそれまで経費にした金額の通算は変らないのです。
違うのは、経費にしていった金額の過程。

会計では1発でどかんとやってしまいましたが、税金の計算上は毎年ちょこちょこ経費化していきます。

当期の償却費のずれ3,999,999が翌期以降少しづつ解消されて行き、6年後には消えてなくなります。

税効果会計ではこうしたずれを税金の金額に変換して、決算書に載っけているのです。

この例を税率はざっくり33%として、当期で仕訳にしてみると、
3,999,999×40%=1,320,000〈説明上切りが悪いので端数切り上げ〉を会計上、

繰延税金資産132万 / 法人税等調整額 132万 と仕訳に起こす形です。

 

交際費は永久差異

先ほどの交際費はどうでしょうか。

減価償却費は将来的に経費化される金額は会計も税金も一緒です。
しかし、交際費は違います。
当期に経費にならなかった金額は将来の税金の計算においても経費になることはありません。
これを永久差異といいます。

税効果会計は減価償却費における会計と税金の計算のずれのような将来解消されるずれを扱います。
解消されないずれにこの方法を適用することはできません。
例えば、先ほどの交際費25,000円を繰延税金資産に変換したとしましょう。

25,000円×33%=8,250

これを

繰延税金資産  8,250 /  法人税等調整額 8,250 

として仕訳に起こします。
でも、起こしたはいいが、この繰延税金資産、いつ解消されるのでしょう。

消えるときは来ませんよ。永久に。

 

永久差異には税効果を使えない

減価償却の場合は税金の計算上において、全て経費化された時に差は解消されますが、交際費は永久に経費になることはありません。
だから永久差異なのです。

そもそも、将来の税金を減算させる効果なんて、もっていないのです。
仕訳とは経済的実態を描写する行為です。
経済的実態として、資産が増えたのなら資産として計上するべきです。
しかし、このケースでは資産でもなんでもない。

それを「資産」として計上してしまうことは経済的実態に促した処理ではありません。

こうした永久差異には他に配当金などがあります。
ざっくりな説明ですが、配当金は税金の計算上収益にはなりません。
なぜか。

配当金って税金を支払った後の利益を株主に分配するわけじゃないですか。
つまり、既に一度課税された残りを受け取っているんです。
この時点でもらった側では受取配当金で収益となっています。

この収益に課税したら〈税金の計算に含めたら〉二重課税になってしまいます。
だから、税金の計算上は受け取った配当金の金額を減算させるのです。

 

まとめ

税効果会計は結構長く簿記をやっている人でも、苦手とされる人が多い分野のようです。

計算問題を解く際には知っていると便利かもしれません。
法人税等調整額なんかは、調整項目が多い場合、正解を出すのは困難なケースが大半ですが、理屈を知っていれば逆算して、簡単に解ける場合もあります。

実際にこの辺の知識をよく使いそうなのは会計士などの監査をする方達のようなイメージがありますが、どうなのでしょうか。
少なくとも私は実務で使った記憶、ほとんどありません。

 


 
 

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